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気になる病気・健康のこと

乳がんについて

乳がんは増えている!

乳がんは欧米に多い病気ですが、日本でも、乳がんはどんどん増えています。全臓器のがんり患数(がんにかかった人の数)の中で、乳がんのり患数が1位になりました。

乳がん死亡数

図:乳がん死亡

国民衛生の動向2011/2012より

乳がんの原因は?

乳がんは栄養や内分泌ホルモンとの関連が大きいがんです。食事の洋風化に伴って、体格やホルモン環境が向上したことが、日本の乳がんの増加した原因と考えられます。また、高齢での結婚や妊娠・出産、結婚していても子供のない人、また家族に乳がんの多い人も乳がんの危険性が高いことがわかっています。早期発見のためにも、自己触診やマンモグラフィの検診を受けることが必要です。

乳ガンにかかりやすい要因

  1. 40歳以上
  2. 肉親に乳がん患者がいる
  3. 乳腺疾患にかかったことがある
  4. 初潮年齢が早い、閉経年齢が遅い
  5. 肥満 標準体重より20%以上
  6. 高蛋白、脂肪の食事が多い
  7. 独身者、妊娠未経験者
  8. 初婚、初産年齢が高い(30歳以上)
  9. 子供の少ない人(出産回数の少ない人)
  10. 授乳期間の短かかった人
  11. 妊娠中絶回数の多い人(流産、早産の多かった人)

乳がんの症状

乳がんの症状は乳房中のしこりです。乳腺症や線維腺腫でもしこりがふれます。この区別は専門医でも難しいことがあるとされます。しこりがある人は専門医で診察を受けましょう。

次の症状に要注意

  • 乳房にしこりがある
  • 乳房にひきつれ、くぼみがある
  • 乳腺疾患にかかったことがある
  • 乳房を押すと、乳首から分泌液が出る
  • 乳首や乳輪にただれや変形がみられる
  • 脇の下にしこりがある

上記の症状があれば検診を待たず直ちに病院を受診して下さい

自己触診法とは

乳房の病気には、自分の手で見つけることができるものがあります。毎月生理が終わって4~5日くらい経った頃、閉経後の人は月に一度、乳房をチェックしましょう。

鏡に向かい、乳房や乳頭に変形がないかよく観察します。次に乳房の中にしこりがないか調べます。乳頭からの分泌物が、病気発見のきっかけになることもあります。

異常があれば、専門医を受診して下さい。

乳がん自己触診

乳がんがよくできる部位は?

左右とも乳頭から腋の下にかけての部位が、最もがんのできやすいところです。特に注意して調べましょう。

マンモグラフィによる乳がん検診

マンモグラフィとは乳房のX線検査のことです。乳房は比較的柔らかい組織でできているため、専用の撮影装置とフィルムを使って撮影します。マンモグラフィでは、非触知乳がんといって、手で触ってわからない小さな癌や石灰化によってわかる癌を発見することができます。

マンモグラフィ検査のすすめ

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乳がんの発生(病理)

乳がんは、乳管と小葉から発生し、乳管から発生する腺管がんが多いと報告されています。

図:乳がんの発生(病理)

乳がんの進行度(病期分類)

STAGE 0 しこりを認めない
STAGE Ⅰ しこりが2cm以下
STAGE Ⅱ しこりが2~5cm
STAGE Ⅲ しこりが5cm以上
STAGE Ⅳ 遠隔臓器に転移がある

乳がんの治癒率

乳がんの5年発生率

図:乳がんの5年発生率

全国乳がん患者登録調査報告第27号

乳がんを克服するには、早期発見が重要です。そのためには医師による検診と自己触診の二本立てが必要です。最近のマンモグラフィを併用した乳がん検診は、0期すなわち、しこりが小さく、全く手に触れないほどの早期乳がんを発見できるようになりました。0期ではほぼ100%治すことが可能です。

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乳がんの治療の流れ

乳がんの最も基本的な治療は、手術療法と、薬物療法です。

手術法の選択

がんの大きさ、広がり、位置、リンパ節の転移などの進行状況によって、手術法の選択を行います。(術前にがんを小さくするために抗がん剤やホルモン剤の投与を行うこともあります。)

図:手術療法

薬物療法の選択

全身に広がっているかもしれないがん細胞の発育を抑え、転移による再発を防ぐ目的で行います。乳がんのタイプに合わせて内分泌療法、化学療法、分子標的療法のいずれか、あるいは各薬剤を組み合わせた治療を行います。

図:ホルモン依存(ホルモン受容体)

図:分子標的依存(HER2)

その他 切らずに治療する(現在、保険適用なし 臨床試験の段階です)

  • ラジオ波治療(RF)
  • 収束超音波治療(FUS)
  • 強度変調放射線治療(IMRT)

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