がん予防部門 がん予防への取り組み
がん予防に関わる大阪府からの委託事業
目次
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- はじめに
- 第二期 大阪府がん対策推進計画
- 精度管理センター事業の概要
- 精度管理センター事業の内容
1. がん検診精度管理基礎調査
2. 市町村がん検診の実態調査・実地支援
3.組織型検診推進のための市町村支援
4.検診機関に対する支援
- 精度管理センター事業において作成した資料
1. がん検診啓発ポスター(平成26年度作成)
2. 府内市町村担当者向け がん検診マニュアル
・子宮頸がん検診 精度管理マニュアル(平成25年度作成)
・市町村担当者のための 胃がん検診マニュアル(平成26年度作成)
Ⅰ. はじめに
全国と比較し、高い大阪府のがん死亡率の現状を踏まえ、「がん早期発見」への取り組みを強力に推進するため、全国的にも初めてとなる組織型検診の体制整備を推進するとともに、がんに関する予防・医療情報のより一層の普及を図り、府民のがん検診の受診率向上に努めることをめざし、大阪府より委託を受け平成24年度より精度管理センター事業を開始しました。
Ⅱ. 第二期 大阪府がん対策推進計画
平成25年度から平成29年度までの5年間を計画対象期間とした第二期大阪府がん対策推進計画において重要な取り組みとして「がんの早期発見」が掲げられています。
その中で、「精度の均てん化」と「受診率の向上」を目指すための、市町村の支援機関として平成24年度より精度管理センター事業が開始されました。
Ⅲ. 精度管理センター事業の概要
精度管理センターでは検診機関としてのノウハウを活用し、大阪府と連携しながら、市町村ごとの課題について分析・助言を行っています。個別の課題の中から、大阪府全体として取り組むべきものについては、「大阪府がん対策推進委員会」に設置されている「がん検診・診療部会」に提示し、その解決策を検討しています。
Ⅳ. 精度管理センター事業の内容
1. がん検診精度管理基礎調査
精度管理センターは、市町村が実施した各年度ごとのがん検診結果データを「精度管理基礎調査」として収集しています。収集したデータは精度管理センターにおいて、その整合性を詳細にチェックすることでデータの精度を高めています。
また、確認後のデータは、当センターが運用・管理している大阪府精度管理システムに集約・蓄積し、年度ごとのがん検診事業の分析・評価に利用するとともに、「大阪府におけるがん検診」(冊子)を作成、市町村および関係機関に配布しています。
2. 市町村がん検診の実態調査・実地支援
市町村がん検診の実態調査・実地支援として、市町村訪問を積極的に行い、各市町村における課題の把握と解決に向けての支援を行っています。
府内市町村担当者のがん検診に対する知識を深める機会を提供することを目的に、研修会の開催や各種マニュアルの作成・配布、電話相談などを行っています。また、精度管理指標の分析・評価や市町村が開催する精度管理委員会のための資料作成の支援、個別検診導入の準備のための支援などを行うことで、府内全体のがん検診の精度の向上を目指しています。
3. 組織型検診推進のための市町村支援
がん検診受診率の向上のためには、個別受診勧奨の実施が有効な手段であることは明らかになっていますが、府内の市町村において、その取り組みはまだまだ進んでいるとは言い難い状況です。精度管理センターでは、「個別勧奨の推進」を目的に、計画の立案・勧奨ツールの作成、効果の検証をサポートしています。
個別受診勧奨では、勧奨の対象とする方の年齢や性別、また検診の種類に応じた内容での勧奨が大切です。精度管理センターでは、対象に応じた低予算で作成できる勧奨ツールを提案しています。
平成23年度、平成24年度とA市が独自に実施した個別勧奨では、受診率の向上がほとんど認められませんでした。 そこで、平成25年度の個別勧奨について、勧奨対象や方法を精度管理センターと協議を重ねて実施した結果、過去2年間と比較し、大きく受診率が向上しました。
4. 検診機関に対する支援
府内の検診機関の医療従事者を対象にした症例検討会の開催や、医師会が開催する学術講演会への講師派遣などを通じて、府内全体の検診機関のレベルアップを目指しています。また、実施研修として研修生の受け入れも行っています。